🟡 3/29(金)『女たちの音づれの夕べ~パロミタ友美・佐藤二葉の二人会』 🟡

語りと、うたい:【Dance in Music〜ラージャスターンとブルガリア】に寄せて

最近、つく・づく!
私は歌おうとしない方がいいというか、
語るをベースにした方がいいんだなあと、
数百数千回目の再確認をしています。

バウルはそもそも歌を「話す」ものだしね。
何にも知らないところから入ったけれど、
本当に響き合う性質のものというか、
私にぴったりのものに
引かれて出会ったんだなあと思ったり

その上で、
言葉や概念が身に染みるのって、
ある段階では本当に何年もかかるのね。
としみじみしています
(大体いつもしみじみしている……)。

 

Madhuさんにも随分前に、
「歌というより語りという感じがする」
と言われました。

舞台における語りという、
私の可能性を開いてくれたのはMadhuさんで
それが10月23日【Dance in Music~ラージャスターンとブルガリア】
にも繋がっています。

音楽や舞踊の舞台に
加わる「語り」というのは
まるで添え物のようだし、
MCの別の言い方のようですが

私は全く違うものと考えていて
添え物は添え物でも、
その音楽や踊りの体験を
より濃密にする、
その導きをする存在として
舞台における語りを捉えています。

それは、敢えて舞台として
何か芸能を見せるときに
必要なプロセスの、
ひとつの表現/形だと思うのです。

舞踊や音楽を見てもらうには
ステージしか無い、
というのは、
それはそうかもしれないけど
そこまで当たり前だとは思いません。

元々は、生活の中の
生きる必然から生じたもの、
出てきたものなのだから

ステージ上で見る、のであっても
ただ「目撃しました」ではなくて
もっとちゃんと意味のある
体験に昇華させたいし、
それによって
より輝くものがあるはず。

言葉には、ちゃんとその力がある……
ハズラト・イナーヤート・ハーン
(『音の神秘』の著者)の
言葉を借りれば、
「黄金の声」を顕現させる力があると
少なくとも私は、
そうした取り組みをしてきました。

具体的に語るのは、
その背景となる土地や文化、
そして歌われている物語
などの内容なわけですが

物語に没入するように、
音楽と踊りの世界に引き込まれて

ある種のカタルシスをもたらす
そのひとつの助けになるもの

そういう位置づけで、
語りを捉えています。

(動画は4月のイベントの
ダイジェストですが、
私の語りの感じは少し分かるかと思います)

……というわけで
初めは企画と語り・プロデュース的な
参加だけのつもりだったのですが
結果的に、私も一部
唄に参加することになりました。

 

正直に言えば、
私は自分の歌う能力に
まるで自信がありません。

ただ、師匠のそばで
師匠が尊敬する人たち
ばかりを見てきたので

ある種の耳年増、目年増
になっておりまして

芸を観る目、
それもより本質的なもの
(大口叩きますが)
を観る目は育っているけど
(大口叩いてますが)

自分の技倆は追い付いていない
と、いう、
自覚があるのです。

そのぶん、
少しの進歩でも
ばかみたいに嬉しい
という側面もありますが。

舞歌いでも、
私の場合は、完全に
舞が先に来て
(踊ることなんて
全然知らなかったのに)

舞の方を評価されてきました、
バウルの方々にも。

まあそういうこともあって
10月23日は
あくまで語りに徹して
唄はみゆきさんに
お任せしようと思っていたのですが

どういう話の流れかは
忘れましたが

私も歌うことになりました。

まあ確かに、
インド系の言語感覚には
馴染みがあるし……。

でもそれで、
ラージャスターンの歌声を
聴き込んでみると、
たくさん、発見があって。

発声。
喉を使っていそうな
力強い声でも、
たとえば楽士集団
マンガニヤールの歌声は
あれははらを
本当にやわらかく柔軟に
たゆたわせておかないと出ない。

そうでないと、
あの深く豊かな精緻さは出ない。

元々放浪の人々である
カールべーリヤーは
また種類が違って、

でもやっぱり
喉を使っていそうでも
かなり首の後ろから
本堂のように鳴らして、
胸の方から
せり上げるように歌ってる。

そういう発見や学びは
当たり前ですが、
私自身の、
バウルのうたいにも
フィードバックされて来て

私は
「ボーカリスト」
ではないから
敢えて真似た発声を
強調することはしないし
できないけど

少しでも、
そこに重なるような、
響き合うような
唄いができればいいなと
思いつつ

大変楽しんで、
ラージャスターンの唄を
歌わせていただいております。

(動画は、10月23日に向けた
ラージャスターン音楽組リハ)

はらで歌えば、聴く人のはらに響く。
魂から歌えば、魂に響く。

かなり初期に言われたことですが
本当にそれだけのことが
どうしてこんなにできないんだろう、

といつも思う訳ですが
こうした小さなヒントが重なって
毎回、たくさん
そこに近づいたように
感じられます。

思いがけず、
そういう意味でも
本当にありがたい機会と
なりました。

しかも、唄うことで
素晴らしい音楽家たちとの
音楽に参加できて

まあ何というか、
幸せ者です。(笑)

よかったら皆さま、
ご一緒しにいらしてね。
画面越しでもね。

– – – – – –

【Dance in Music〜ラージャスターンとブルガリア】

◆2022年10月23日(日)
18:30開場、19:00開演(21時ごろ終演予定)

◆会場:錦糸町シルクロードカフェ
https://www.silkroad-cafe.com/
オンライン配信チケットあり

– – – – – – –
インドの砂漠のラージャスターン
バルカン半島の山に囲まれたブルガリア

それぞれ、ひとつに括られる地域の中に
多様なスタイルの音楽や踊りが花開いています。

生活の悲喜こもごもの合間に奏でられる歌に乗り
湧き上がる踊りを踊ることは
人々の、日々を生きる心と身体の糧でした。

当日は日本で様々に音楽に取り組む奏者たち
現地の楽曲を様々な楽器と唄で奏で、

現地の踊り手に混じって研鑽を積んできた踊り手たち
楽曲に乗り、それぞれのスタイルで即興をまじえて踊ります。
– – – – – – –

◆出演
Rajasthani Madhu & Rangi Phool (ラージャスターン舞踊)
Eiko(ブルガリア舞踊)
佐藤みゆき(歌唱、カヴァル)
大野慎矢(ガイダ、アコーディオン)
ヱヌ川(打楽器)
パロミタ友美(語り、歌唱)

オンラインチケット: 1000円
カメラ4台による臨場感溢れるライブ配信をご覧いただけます。
アーカイブ視聴も2週間視聴可能です。
→ご予約は https://rajasthanbulgaria.peatix.com/ から

会場チケット
予約3500円、当日4000円
→ご予約はこちらのフォームから。

    ※2-3日中に返信が来ない場合、お問い合わせが届いていない可能性があるので、お手数ですが tomomi.paromita@gmail.com まで再度ご連絡ください。

    詳細:

    2022年10月23日(日)【Dance in Music〜ラージャスターンとブルガリア】開催します。

    ジョイグル
    (バウルの挨拶
    「あらゆる命が本来に輝きますように」)

    今日も明日も良い日でありますように。

    パロミタ

     

    お知らせやブログ記事の元になるような雑感など、SNSなしに読めるといいなという方は無料メールマガジンの登録をご検討ください。

    最初に、パロミタの自伝シリーズが11回に渡り配信されます。
    もちろんお時間無いときはスルーしてくださいね、という前提なのでお気軽にどうぞ。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    CAPTCHA