🟡 3/29(金)『女たちの音づれの夕べ~パロミタ友美・佐藤二葉の二人会』 🟡

象の頭のガネーシャ神〜ガネ様のおはなし

インド神話の神様で、おそらく
日本で最も知られているのは
象の頭をしたガネーシャ神。

ガネ様は、特に南インドでは
何か物事を始める時に、
最初にお祈りする神様です。

障害物を取り除く神様であり
また最初に呼んでおかないと拗ねる
などとも言われます。

この歌「マハーガナパティム…」は特に有名な歌
上の動画で歌っているイェーシュダースは
数限りない映画音楽も歌っているので
サラッとここでも歌っていますが
一流の古典音楽の歌手でもあります。

「偉大なる群衆のあるじよ
私は常に、心の中で
あなたを想っています。
聖人や神々にも信仰されるあなた」
で始まる、
ムットゥスワーミ・ディクシタルによる作詞作曲の
ナータ・ラーガの古典的名曲です。

南インドの祭礼などで、
さりげなく最初に演奏されていたりするのを
聴く事ができます。

色々な名前(というより、称号)

インドの神様らしく、
多くの異名があります。

1. ガネーシャ
インドの外では一番有名な呼び名ですね。
ガナ(群衆)+イーシャ(王/最も優れた者)
群衆の王、という意味です。

2. ガナパティ
これも意味はガネーシャと同じです。
「パティ」は王や守護者の意味。

3. ヴィグネーシュワラ
ヴィグナ(破壊)+イーシュワラ(王/神/最も優れた者)
で、破壊神のような意味。

4. ヴィナーヤカ
これは「取り除く者」「率いる者」という意味。
これが「毘那夜迦(びなやか)」となり
日本で歓喜天や聖天様として信仰されています。
二柱の象が抱き合う姿、ご存知の方もいらっしゃるでしょうか。

画像ソース:ウィキ

仏伝では、暴れるガネーシャを鎮めるために
観音様が象の美女の姿を取り
仏法に帰依させたとされ
この抱き合う双身の姿で知られています。

5. モーダカハスタ
モーダカ(お団子)をハスタ()にしている…
という事で、甘いものが大好きなガネーシャです。
モーダカは最中[モナカ]の語源とも言われます。
日本でも、聖天様にお供えされる
歓喜団というおだんごがあり
ガネーシャの性質を受け継いでいます。

6. ムーシカヴァーハナ
ムーシカ(ねずみ)をヴァーハナ(乗り物)として
7. シェーシャブーシタ
シェーシャ()をブーシタ(飾り)にしている
8. ランボーダラ
ランバ(大きい、垂れている)ウダラ()の
9. エーカダンタ
ダンタ(象の鼻)がエーカ(一つ)の

…これらが一度に説明される
私のお気に入りの話があります。

——
モーダカ団子が大好きなガネーシャは
腹いっぱいに食べると
いつも乗っているネズミ君に乗って
遊びに出かけました。
(象がネズミに乗る事に突っ込んではいけない)

ところが、蛇が急に飛び出して来て
驚いたネズミは暴走し、
ガネーシャは転落(落馬ならぬ、落鼠?)してしまいます。

その時、モーダカでパンパンのお腹が開いて
モーダカがお腹から出て来てしまいました。
「ひどいや!」
ガネーシャは嘆きながら
落ちたモーダカを一つ一つ拾い、
お腹に戻して詰め込んでいきました。

そして蛇をとっ捕まえると、
「お前なんか、こうしてやる!」
と、蛇でお腹を巻いて
傷口を閉じて(縫合手術)
自分のベルトにしてしまいました。

この一連の出来事を見ていた満月が
ガネーシャを笑っていました。
これに怒ったガネーシャは
「お前はもう、誰の目にも写らない」
呪いました。

慌てた月が誠心誠意謝罪したので
ガネーシャは許してやりました
一度発した呪いを取り消す事はできないので
完全な姿と、見えない姿を
行き来するようになりました。
それで、月はいつも丸くなくて、
満ち欠けをするようになったのです。

※私がこのお話を知ったキッカケの漫画を、
当時のブログに写真で上げていましたのを
拾って来て添えました…。
——

あと、いわゆる第一チャクラである
ムーラーダーラに住んでいる、
というのが
歌などでは出て来たりします。

この動画は、舞踊モヒニヤッタムのガネーシャ・ストゥティ。
公演の最初に踊ります。
手の動きなどで、
象の鼻や耳、両面太鼓ムリダンガムを叩く様子などを
表しているのが分かります。
(流派によって踊りは違いますが、
最初にガネーシャを讃えるという点は
共通しているはずです。)

インドの両面太鼓 6選

ケーララ女性の古典奉納舞踊・モヒニヤッタム

象の頭の由来

では、なぜガネーシャは象の頭をしているのでしょうか。
インドでは誰もそんな事を尋ねないぐらい
ガネ様は一般的ですが、
日本人には気になる話のようで
一番知られているのはこんな物語です。

——
ある日パールワティー女神が、
夫のシヴァ神のいない時
身を清めて出てきた垢を集め
命を吹き込んで、
ガネーシャを生み出しました。
この時、ガネーシャは普通の男の子の姿でした。

そのガネーシャに見張りをさせて
沐浴をしている時に
夫のシヴァ神が帰って来ました。
妻のパールワティーに会いに行こうとすると、
ガネーシャに阻止されます。

「誰も通さないようにと言われています」
「私は夫だ。通さない道理は無い」
押し問答の末、怒ったシヴァ神は
子どもガネーシャの首を撥ねて
どこかに投げ捨ててしまいました。

この事を知ったパールワティーは怒り狂い
子どもを生き返らせるように言います。
困ったシヴァ神は子どもの首を探しますが
遠くに投げてしまって、見つかりません。

それで仕方なしに、象の首を狩って
子どもの身体にくっ付けました。
それで、ガネーシャは象の頭をしているのです。

——

それからよく言われるのは、
元々先住民の神様だったのが
ヒンドゥー神話界に取り入れられた
という事ですが、
実際のところは分かりません。

シヴァ神:最初のヨーギー、女神の夫

 ガネーシャ・フェスティバル

8月末〜9月初めの時期に、
ガネーシャ・チャトゥルティー
というガネーシャ神のお祭が行われます。

インドのあちこちで
祝われるお祭りなのですが、
特に盛んで有名なのは、
ムンバイのガネーシャ・チャトゥルティーです。

長いので適当に飛ばしながら
見ていただくとよいかと思うですが、
途中で

ganapati bappa morya! mangal murti morya!

とみんなで言っていますね。
ガナパティは前述のようにガネーシャの事。
バッパは「父さん」や「主」。
モーリヤ、は一般的には14世紀の聖者の名とされていますが、
「祝福したまえ」という意味だという説もあります。
マンガルは「吉祥」、
ムールティは「お姿」。

この真言はお祭の象徴のように唱えられていて、
Ganapati Bappa Moryaで検索すると
たくさん動画や歌が出てきます。

11日間のお祭りの間
このお祭のために用意された
ガネーシャ像を、お祀りし、
お祝いします。
最終日、このガネーシャ像を川まで
みんなで連れて行く
山車行列が盛大に行われ
そして、多くの小さなガネーシャ像と
大きなガネーシャの飾りなどが
川に流されるのです。

今日はガネ様のお話でした。
馴染んでくると、
信徒ではなくとも
親戚の子どものように
愛しくてたまらなくなってくる神様です。

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