鈴を連ねた足飾り
基本的には、
舞踊に使うための、
鈴を連ねた足飾りを
グングルと呼びます。
(普通の鈴を
グングルと呼ぶ例は、
私は今のところ、
行き合った事がありません。)
鈴の数や、鈴を付けるのが
紐であるのか、
脛当てのような布に
ビッシリ縫い付けてあるか
など、色々な種類がありますが
バウルが歌い舞いの時に
身に付けるのは、
シンプルな、紐で繋いだものです。
ふさわしい紐と鈴さえあれば、
割と簡単に作る事もできます。
音楽的な役割
足首に付けるので、
当然、舞い踊りで
動くたびに、互いに打ち合う
鈴の音が響きます。
座って歌う場合でも、
足の指に結い付けて、
音を奏でます。
(座った状態の歌いで、
グングルがしっかり写っている動画が
意外と少ないので
ある企画用に撮った自分の動画です。
企画用だったので全曲ではありません)
パーカッションの一部と
言う事ができるでしょう。
バウルの場合は、
身体そのものを楽器としますが
その一端を担う
重要な要素のひとつです。
公演にいらした方や、
ひょっとしたら動画でご覧になった方も
分かるかもしれないのですが、
実は結構、音が大きいです。
バウルの使うグングルは
古典舞踊などに比べて
よほど鈴の数が少ないのですが
それでも、かなり響きます。
このグングルの音の響き方で
舞い手の熟練度が
測れる部分も、あると思います。
こなれてない人は、
グングルの音も無骨で、
大きく、コントロールできていない。
素晴らしい踊り手は、
大きな音が出ていたとしても、
全く邪魔にならないというか、
他の要素とすっかり調和しています。
グングルーなのかグングルなのか問題
どちらも正しいです。
ただ、言語や地域、芸能によっても
違うようです。
カタックなどでは、
グングルーGhungrooと言うようですね。
バウルでは、私の知っている限りでは
グングルGhungur と呼びます。
南インド古典文学で、有名な
シラッパディハーラム
という叙事詩がありますが、
この「シラ」に鈴の意味があり、
「シランブ」はアンクレット、
「アディハーラム」が物語という意味だそうです。
「シランブ」はタミル語で、
ケーララのマラヤーラム語では
「チェランブ」という発音でした。
とにかく、そのように、
地域や芸能によって、
呼ばれ方は色々あります。
ヌプルの事
私の師匠パルバティ・バウルの
付けている「ヌプル」は
特に師匠に認められた、
修行がよほど進んだ人でないと
身に付けられないものだと
私は聞いています。
デーブダス・バウルも同じように
おっしゃっていました。
なので、ヌプルを付けて
歌い舞いをするバウルは
あまり見かけません。
左右のヌプルは
それぞれ中に鈴が入っていて
左右で音程が違います。
だからこそ、
踊りに習熟していなければ
誰にでも扱えるものでは無く、
ほとんどのバウルは
ただグングルを使います。
装飾は、孔雀と蛇を
象ったものです。
(足元までちゃんと写した動画が
中々見つからなかったのですが、
この動画では少なくともヌプルの音が
割とはっきり分かります)
「ヌプル」という言葉自体は、
単に足飾りという意味で
使われる場合もあるようですが、
これはバングラデシュのファキールが
言っていたので、
単に地域による違いなのかもしれません。
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