トゥルシーは「ホーリー・バジル」とも呼ばれる
聖なる植物。
日本のインド系のお店などでも、
トゥルシー茶の茶葉が売られている事がありますね。
インドだと、よくお家の前に特別な壇があって
そこに植えてあります。
インドの人はトゥルシーの木は踏まないという
感覚があるようです。
トゥルシー茶
師匠のアシュラムには自生のトゥルシーがたくさん生えていて、
いつもその葉を摘んでトゥルシー茶を飲んでいます。
何を入れるかはその時によるけど、
だいたいトゥルシーの葉とレモングラス、それから生姜。
これを全部茹でて、沸騰した頃にお茶っ葉を入れたり、入れなかったり。
いわゆるクリシュナ・トゥラシーと呼ばれる品種よりも
香りが強いので、たぶん違う種類のトゥルシーの木。
まだ土地が決まったばかりの頃、
何にも無かった時から、このトゥルシーの木は
周囲にたくさん生い茂っていて、
建設などが進む中自ずから勝手に生えて、増えていきました。
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「ホーリー・バジル」と書きましたが、
実際にバジルの仲間という訳ではありません。
花の付き方など似ているところも多いのですが。
この間イタリアの人がいらしていたので、
皆で小麦粉と水のみの生パスタ作りをしたのですが
トマトソースにバジルの代わりにトゥルシーの葉っぱをあわせたら
絶妙に合っておいしかったです。
実は、タイ料理などに使われるガパオもトゥルシーなのだと
最近になって知りました。
更に、日本語だとカミメボウキ(神目箒)という名が付いています。
伝統医療アーユルヴェーダでも非常に薬効が強い事で知られていて、
インド人は「とりあえずトゥルシー摂っておけば大丈夫」みたいな人もいます。
トゥルシー女神
トゥルシーはラクシュミー女神の化身であるとも言われ、
トゥルシーの苗とクリシュナもしくはヴィシュヌ神が
結婚する儀式などがある地方もあります。
神話はちょっとややこしいのと、
私はあまり好きではないのでここでは割愛。
呪いとか女性の貞節とか夫の姿をとった神がとか、
そういう話です。
お茶を作るのに葉を摘む時は、
何となく許可をお願いする気持ちで摘みます。
トゥルシーは別名をヴリンダーと言いますが、
クリシュナ神が幼少期を過ごしたヴリンダーヴァナには、
文字通りヴリンダー(トゥラシー)の森(ヴァナ)が広がっているそうです。
トゥラシーは「比類ない」という意味だとも言います。
![](https://tenziku.com/wp-content/uploads/2020/01/C16C8FBB-38B5-4E1A-9E8C-FACB33DFADEB.jpeg)
トゥルシーの数珠
トゥルシーの枝から作られる首飾り(マーラー/数珠)は
ヒンドゥー教の特にヴィシュヌ派では
とても重要な役割があります。
いわゆる灌頂(イニシエーション)の際に
トゥルシーの細い枝からできた首飾りを首に巻く事も多いです。
私もこの首飾りをしているので、
コルカタの空港などでよく「ハレ・クリシュナ!」と
声をかけられたりします。
(私の場合はバウルで付けているのですが、
外国人でトゥルシーの首飾りと言えば、
ハレ・クリシュナ!というイメージのようです)
また、より大きなビーズは
マーラー(数珠)に使われ、
特にヴィシュヌ系の真言(マントラ)を唱えるのに好まれます。
実はシソ科だった
「バジルの仲間では無い」という事を知ってから
だいぶ経ってから、シソの仲間だという事を知りました。
シソなら日本の庭でも放っておけば増えますね。
私は家にずっといる訳ではなくてお世話があまりできないので、
トゥルシーを日本で育てる事はほぼ諦めていたのですが、
シソで「トゥルシーを育てている」気分になってみようかと思いました。
ところで「イギリス入植時代、
あまりの蚊の多さに
入植者たちは蚊除けにトゥルシーを植えた」
という記述も見かけましたが、
トゥルシーの茂みの真ん前で、
私の血は蚊に大人気に噛まれているので
ちょっと信じられません。
参考:(Retrieved 23rd January 2020)
https://en.wikipedia.org/wiki/Tulsi_in_Hinduism
http://themodernvedic.com/science-vedas/hindus-worship-tulsi-plant/
https://timesofindia.indiatimes.com/Amazing-facts-about-Tulsi/articleshow/48758720.cms
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