🟡 3/29(金)『女たちの音づれの夕べ~パロミタ友美・佐藤二葉の二人会』 🟡

インドはベジタリアン?(ばかりでも無い)

インドはベジタリアンが多い?

インドはベジタリアン(菜食主義者)が多いんでしょ?
と言われる事があります。

たしかに、日本などに比べると
とても多いと言えるでしょう。
伝統的に、昔から食べない家系があるぐらいだし。
(いわゆるバラモン、僧侶階級)。

とはいえ、ベジタリアンだらけなのかと言うと
そうでもありません。
お肉を食べる人も多く、
チキン何とかという店名は
割と見かけます。

この頃は牛を食べる事が法律で禁じられている…
そうなのですが、施行が州によってマチマチなのか
牛を巡って深刻な宗教紛争に発展しそうな場所もあれば
ビーフフライが売られている場所もあったりします。

地方によっては、
ベジタリアンでも魚は食べる
(魚は肉ではない)
という場合もあります。

また、ベジタリアンでは無くても、
◯曜日だけはベジタリアン、の場合とか。
これは、たしかタイなどでもあると聞きました。

今は英語圏の先進国でもそうですが、
インドだと食堂などで
ベジタリアンの選択肢が必ずあるので、
そういう意味でベジタリアンには楽です。
(私は修行の関係でベジタリアンです)

伝統的には、たとえば
イスラームやキリスト教では
肉食をして来ましたが
この頃はベジタリアンの
イスラームやクリスチャンもいます。

また、戦士階級だとやはり
伝統的には肉食の場合もありますが
彼らも近年はベジタリアンになる…
という場合もあります。

ベジタリアンには「清浄」の認識・イメージがあり
理由はそれぞれ異なるでしょうが
このようにベジタリアンを
後天的に選んでいる場合も増えているようです。

逆に、バラモンの生まれで
伝統的には肉を食べて来なかったけど、
自分は……というケースもあると、噂には聞きます。

インドのベジタリアンの歴史

ちなみに、インドの伝統医療アーユルヴェーダでは
意外に思われるかもしれませんが、
肉食を否定していません。
体質によっては、推奨される場合もあるはずです。

聖典ヴェーダを紐解いていくと、
明らかに牛を食べていた…という本を出版して
発禁処分になり、
更に命の危険にも脅かされるようになった
学者がいましたが

歴史的には、仏教やジャイナ教が
先にベジタリアンを実施していて
(これは、「傷つけない」の実践の一つですね)

それ以前からの僧侶階級であるバラモンが
ベジタリアンを取り入れたのは、
仏教やジャイナ教の隆盛で変化した
世間の「浄清」の認識を受けての事のようです。

とはいえ、それでも
1000年ぐらいかそれ以上は
続いているという事だから
充分、ベジタリアンの伝統としては
長いと言えます。

ベジとノン・ベジの会話

日本に仕事で行く可能性のある人から、
「日本人は宗教を信じないというけど、本当か」
と訊かれた事があります。

その時、
「一般的にはそう言われるし、
実際にそうだと言う人が大勢。ただ、
外から見れば宗教的に見える慣習などはあるだろうし、

こことは違って、
『宗教なんて無い』ことが当たり前に
育った人がほとんどだから、

むしろ宗教というものが何か、
単純に想像が付かない
と言った方が正しいかもしれない」

と答えました。

それに対して彼(イスラーム)は、
なるほど、ベジタリアンの友人に
『肉を食べたいと思ったことはないの?
本当に一度も?』と訊いたら、

『食べたことが無いから、
食べたいという感覚も無いんだ』と言われた
それと同じようなものかな」
と言われました。

「そうそう、そんな感じ」
と答えたのですが、

ここから想像できるように、
インドにおいても、
ベジタリアンに対する
ノン・ベジタリアンの反応は
日本とそう変わったものでもありません。

ただ、歴史の蓄積がある分
当然ある選択肢として認識されている
と言えるかと思います。

インドにビーガンはいる?

ちなみにビーガン(あらゆる動物性食品を摂らない)
は、あまりいません。
なぜなら、牛乳があまりにも
文化の中で重要な位置を占めているから。

特に北インドの料理だと、
牛乳があまりにも自然に
使われている場合が多いです。

でも一方で、牛乳が飲めない人も
一定数いるので、
チャイなどは意外と「牛乳なし」の選択肢が
受け入れられたりもします。
(東・南インドではそうですが、
砂漠の方ではまた事情が違うかも)。

南インドだと、
料理に牛乳が使われる事は
さほどありません。

甘くないヨーグルトを
最後に口直しにご飯に混ぜたり
ビリヤニ(チャーハンみたいな)の
付け合わせに出されたりしますが

これや、あとはパーヤサムという
乳粥を避ければ
ビーガンの人も安心して
料理を楽しめます。

初めて行く町ではベジタリアン食堂に行け

インドに住み始めた頃、
「初めて行く町ではベジタリアン食堂に行け」
と言われました。

これは、衛生面で
初めての町ではどのお店が良いか分からないから
ベジタリアンにしておいた方が
安全、という事です。

インドでは、ナマで食べる物が
非常に少ないです。
一部の果物や、付け合わせに使う一部の野菜ぐらい。

ナマで食べるのは衛生面が不安…
という意識があるようです。
揚げ物が多いのも、こうした理由からだと思われます。

ついでに書くと、ストリートフードは
油が使い回されている場合が多いので
インドに慣れていない方は、
避けておいた方が無難です。

インドでお腹をこわすかどうか〜気をつける事ふたつ

ベジタリアン料理めちゃくちゃ美味しいですよ

これは完全に蛇足ですが、
インドのベジタリアンはとても美味しいです。

というか、ベジタリアン料理は
美味しいものは、とことん本当に美味しいです。
たまたま物足りないのに当たってしまった方も
ぜひ懲りずに再挑戦していただきたい。

特に南インド料理は、
サッパリしていて
日本人の舌に合うと言われています。
最近は、日本でも南インド料理のお店が
増えてきました。

スパイスというと
「辛い」というイメージがあるかもしれませんが
日本人にとっての醤油のようなもので
本来は、食物の新たなおいしさを引き出す存在

野菜に限らずですが、
スパイスがうまく使われた野菜は
本当においしいです。

日本のカレーライスでは、
野菜はただゴロゴロ入っているだけ…
という感じですが
(それはそれはおいしいけど)、

本当においしいインド料理では、
全く価値観が変わるので、
ぜひそんなインドベジタリアンに出会って下さい。

インド料理:スパイスと牛乳の歴史

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