🟡 3/29(金)『女たちの音づれの夕べ~パロミタ友美・佐藤二葉の二人会』 🟡

インドの「州」は「くに」のよう

よく言われる事ですが、インドは広いのです。
公用語だけで15あり、実際の言語数はその数百倍に上るとも言われます。
同じ言語の話者の中でも、様々に異なる文化があります。

だからこそ、このサイトでご紹介していくように様々な芸能が花開いています。
ここでは、行政単位・地理単位である「州」について
少し語ってみます。

インドの「州」について語るのは、いささかトリッキーです。
それ自体は、境界線あるある、かもしれません。
とはいえ、インドでは概ね言語によって州が決まっているので、
その点では、たとえばアフリカの直線の国境のような
あからさまな不自然さはありません。

それでも、2014年にアーンドラ・プラデーシュ州から分かれたテランガーナ州のように、
一筋縄ではいかない(インドの人に聞いても「よく分からない」と言われたりする)世界です。

アーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナ州はどちらもテルグ語圏ですが、
テランガーナは歴史的にハイデラバードを中心とした一つの国でした…
という事で歴史的・政治的に州として分離独立する運動が展開されていて、
ついに2014年に新たな州として認められました。

ハイデラバードは、アーンドラ・プラデーシュ州の州都でもあります。
10年以内に変わるという条件で、今も2つの州の州都として機能しています。

私も当時インドにいて、「え、そんな事があるの???」と驚いた事を覚えています。
しかも、周囲のインド人に聞いてみても、
「いや〜よく分からないんだよね」などと言われてしまいます。

なぜそんな話をするのかと言いますと、
「ナニナニ州」と私たちは簡単に言ってしまうのですが、
感覚としてはそれは「国」と変わらないようなところがあるからです。

特に日本では、廃藩置県も遠い昔。
更に、「州」という感覚がそもそも分かりにくいのです。
英語圏の、言語の違いが無いアメリカやオーストラリアにおいてさえ、
州をまたげば政治や、様々なシステムが異なります。

その上インドでは、言語が州ごとに違い、民族の違いすらあります。
(一応言及しておくと、少数民族も各地にたくさんいます)

南インドには、タミル・ナードゥという州があります。
「ナードゥ」とはタミル語で「くに」「故郷」のこと。
ケーララの言葉、マラヤーラム語でも同じです。

北インドには「〇〇・プラデーシュ」という州がたくさんあります。
「デーシュ」が国の事。
「プラデーシュ」は語源としては色々な意味がありますが、ここでは「地域」ぐらいの意味でしょうか。
それでも、「国」を意味する「デーシュ」が要素として入っている事が分かりますね。
「スワデーシュ」で「自国」「独立運動」などの意味になります。

ひとくちにインドと言っても、地域によって違う言語・文化があり、
州が違えば国が違う、ぐらいの認識でいても良いかもしれません。
また、だからこそ、このサイトで紹介しているような、
色とりどりに多様な芸能も花開いています。

それでも、インドの凄さ、また興味深いところは、
それだけ多様であるにも関わらず、インドとしてのまとまりを保っているところです。

それを可能にしている歴史的・文化的な繋がりは、計り知れないものがあります。

もちろん、北東部のナガランドのように、
独立運動が展開されているところもありますし、
カシミール問題もあります。
パキスタンやバングラデシュとの歴史的な対立・緊張関係もあります。

ただ、それを踏まえた上でも、
これだけ多様な文化・民族・言語を内包しながら今のレベルでまとまっている、
それ自体、インドという国の神秘であるようにも思えるのです。

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