インドに行っていてよく訊かれるのが、
「おなか壊さない?」という事です。
こわさない訳ではないのですが、私は胃腸が弱いので、
日本にいても年がら年中こわしています。
でもインドにいるからと言って、脱水症状のようなひどい目に陥った事はありません。
逆に、インドにいる時の方が調子の良い時もあります。
げに汚い、というイメージのあるインドです。
地域によっては、それは全く否定しがたい事実な訳ですが…
一方では、多くのインド人は非常にキレイ好きで、
時に欧米人の清潔感を不潔だと見下しているというか、
哀れんでいるような節すらあります。
(食べ物の話だけで長くなってしまったので、
清潔感の話はまた別にまとめる事にしました)
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外国人が訪れる際に第一に気をつけるべきなのは、水です。
水がお腹に合わないと、同じインド人であっても腹を下します。
私は南インドのケーララ州にいた時は、南インドは日本と同じ軟水な事もあって、
時に井戸からポンプで組み上げられたお水を水道から直接飲んでいました。
本当は、井戸水とはいえ清潔とは言い切れないので、
フィルター機械を通すか、一度は沸騰させた方が良いです。
この時に、クミンやシナモンや生姜などと一緒に沸かす事もあります。
ケーララのご飯屋さん(「ホテル」と呼びます)に行くと、
赤いお水が出てくる事があります。
これはある植物の根っこと一緒に沸騰させたもので、
ケーララの伝統的な飲み方です。
色が付いている事が、きちんと沸騰されている証になるのです。
言ってしまえばハーブティーのようですが、
彼らにとってはあくまで水です。
ご飯やさんでも、外国人だとペットボトルのお水を出される事が多いですが、
「チュードゥウェッラム」と頼めばお湯を出してくれます。
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そんな環境にずっといましたので、
初めて東インドにある西ベンガル州の州都、コルカタに行って
歯磨きをしようとした時
水道水のあまりの異様さに吐きそうになりました。
都会では全く事情が違うのでした。
歯を磨くのにもペットボトルの水や、
一度濾過した水を使わないといけません。
それでも、街を見回してみると、道路脇の井戸から水を組み上げ、
恐らくは路上や、それとそう変わらない場所で寝泊まりしている人々が
その水で水浴びをし、顔を洗い、うがいをしていました。
水という必要不可欠で、私とも何ら変わらない身体欲求を通して
都市の貧困を初めて本当に見せつけられた気がしました。
ちなみに、同じベンガルでも田舎のアシュラム(修行場)に行くと、
やっぱり井戸水を直接ガブ飲みしてます。
…というのはちょっと言い過ぎで、こちらは硬水でちょっと痛いので、
ちびちびと飲んでいます。
別にお腹はこわしません。
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あと、外国人(に限らずインド人も)気をつける事と言ったら、
特に路上で売られている揚げ物に使われる、油でしょうか。
あの油は、何度も使い回されている場合が多く、衛生的とは言えません。
昔から食べていて慣れている人なら大丈夫なのでしょうが、
旅で訪れる外国人は(インド人でも)避けた方が無難です。
地元の人で、健康に関心のありながら遊び心のある人なら、
良心的な、良い油の使い方をしているお店を知っているかと思います。
ちなみに、どうしてあれだけ揚げ物が盛んなのかと言うと、
多分ですが、加熱した方がそれでも安全だという意識がある
ように思います。
地域にもよるでしょうが、
インド人がナマで食べるものって、非常に少ないのです。
ケーララだと、果物だって、マンゴー、バナナ、パパイヤにジャックフルーツ以外
ほとんど食べません。
ベンガルだと、もう少し、ご飯の付け合わせの
玉ねぎやキュウリ、レモン、青唐辛子などもナマで食べます。
ケーララにいた時、初めて行く土地では
ベジタリアンのレストランに行った方が良い、と言われました。
肉料理は衛生面が心配だから、と。
これも、保存や加熱の仕方に関わる意識です。
北インドにあってさえ、雨季には非常に湿度が高くなります。
そうでなくても、雑菌の心配はあるでしょう。
土地の気候に合わせて、それぞれの土地なりの
衛生意識は確かにあるのです。
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