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スムルティの妊娠出産手記⑦

 
 
 
 
 
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Smriti Chanchani(@dhoop.chhaon)がシェアした投稿

インスピレーションをもらえる女性や聖人の写真とか、アファメーションの紙を紐で繋げて部屋じゅうに張り巡らす私を見て、ラームは笑った。実際に出産のときにこれを見上げるのかと言って。もちろんそんな余裕は無かったけれど、それでも良かった。それを作って飾る作業自体によって彼らのエネルギーをもらえる気がしたし、ありとあらゆる神さまの力に、助けてくれるように何度も何度も呼びかけた。

昼が過ぎて、夜になったと思ったけれど、果たして早朝なのか、真夜中なのか。まったく分からなかった。立つことにも疲れていたけど、もう本当に他に耐えられる体勢が無かったのだ。ラームに、スタッフに浴槽に入りたいと伝えてくれと頼んだ。ラームが遠くでオーギュスティンに話しているとき、オーギュスティンが「まだこれから6時間から12時間ぐらいはかかるように見える」と言ったのが(何かの間違いで)聞こえた。

は???!!! 次の陣痛に耐えられるかどうかも自信が無いのに! そんなに長い間耐えられるなんて、まずありえなかった。すると、隅に追いやっていた思考がすり寄ってくる。「もう、ラームにこれ以上は無理だから病院に連れて行ってと言うべきだろうか」実際、何度かはかすかに「もう無理」と口にさえしたのだ。何度も何度も考えて、でも強くいたいならそんな風に考えていてはいけないと分かっていた。もう無理、痛みが激しすぎる、疲れもひどすぎる、この歳で挑戦するより前に分かっていたはず……こうした弱音が頭をもたげるたび、その声が続かないように押し留めようとした。



友人のジャヤシュリーが、呼吸が私のいちばん頼もしい友になる、と教えてくれていた。だから落ち着くために活用すべきだ、と。それで呼吸をするたび、頭から身体へと戻って来ようとした。必要なエネルギーを吸い込んで、恐れと不安を吐き出した。

マタニティークラスでスネーハーが言った言葉が思い出された。「痛みから目を逸らせなくなる瞬間が、必ず来ます。そのときが来たら、ただ飛び込むしかありません。痛みに身を委ねるしか無いんです」そのときが来て、ラームが言った。「時間が止まってる。もう自分でどうにかすることはできないよ。身を任せるしか無いよ」どちらにしろ、戦うだけの力はもう残っていなかったから、ゆっくりと、このプロセスと身体に、身を委ね始めた。諦めて降参するというより、ただ道を譲るような、道から外れるような、そんな気がした……。

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