わたしが自分の日本語の歌を
人前に出そうと思ったのは、
「いつか必要とする人がいるだろう」
という感覚や、
バウルを学ぶ日本人で
こういう形で日本語の表現として
ここまでやった人がいた、
ということを
記録に残しておけば
わたしに明日何が起こったとしても
残っていくから大丈夫、
と思った、ということが
大きいのですが
それは単に、わたしが
常に死ということを考えてきて
それを前提に
人生を考えてきた、
ということもあるのですが
ふと気づいたことで
桃山晴衣さんも、
高見麻子さんも、
本田美奈子も岡崎律子も
(テレビ芸能人はなんとなく敬称略……)
わたしが、心底すごい! と思い、
どこか「こうなりたい」と憧れた
女性芸能者は
みんな、わたしが知ったときには
故人だったんです。
こんな人がいたんだ、
こんな人が生きていたんだ、
と彼女たちの軌跡を発掘して
文字通り指でなぞるように
作品を読み込み、抱きしめていました。
だから、わたしが誰か
わたしの仕事を必要とする人を
想像するときに、
わたしの死後に現れる、
というイメージがなんとなく、
あったんだな
と、気づきました。ふと。
だから生きている人が
中々来ないのかしら……
今度の木曜日の公演が
コロナのときでも無かったような
反応の薄さで、
色々考えている中で
思いついたこと。
(ゴールデンウィーク明けの日
だということに数日前ようやく気づきました)
*
英語では、truth
ということをよく言うけど、
これを訳すとどうしても、
「真理」「理(ことわり)」とかになります。
では「本質」と訳したら
間違いになるだろうか。
Truthという語用は、
キリスト教や聖書から来ているのかな。
たとえばサンスクリット語を
ベースにしたインドの言葉で
Truthと訳される言葉は
いくつかある気がする。
パッと思いつくところでは、
タットワやサット、サッティヤなど。
日本語で、
「真実を知りたい」なんて言ったら、
英語の思想的文脈でのtruthとは
だいぶ意味合いが異なってしまう。
(ミステリー小説とか恋愛物ならOK)
正直なところ、
Truthなんて言われると、
なんでそんなものを知りたいのか、
という気分に、わたしは
なるところがあります。
この世界の成り立ちや、本質
どのようなはたらきで
存在しているのか、ということならば
気になるし
実際にtruthと言うときに
指しているのはそこなのだろうけど
英語の何とも言えない曖昧さというか
みんなが何となく使っているから
こちらも何となく使わざるをえない
ジレンマ、みたいなものを
感じることがあります。
20世紀の方々が
英語を高い位置に置いてしまうのは
もう仕方がないと思うのだけど
これからの時代の人は、
英語に対してそれぐらい
斜に構えた態度でも良いのではないか
と思ったりして。
半端にわかる人が一番めんどくさいけど
半端に分かるぐらいでいいんじゃ!
と謙虚に開き直って、
あとは(信頼できる)翻訳に頼るぐらいで
いいんじゃないかな。
真剣に学ぶなら、
英語以外の言語、できれば
現代西ヨーロッパ以外の言語で。
*
数日前、ベンガル料理のプージャーに行ったら
「ゴールデンウィーク祝い~」
とベンガル人家族がいらしていて
そもそもプージャーには
半分ぐらいは、お店の奥さまと
お喋りをしに寄るところがあるのですが
ベンガル人とベンガル語で
話をするのが楽しいのは、
わたしの場合は、わたしが彼らと
バウルを通して繋がっているからです。
なんというか、わたしはベンガル語を
ある種の信仰(バクティ)を前提とした
言語として習得していて
古好みのベンガル人からしたら、
そういうベンガル語を喋るわたしが
もちろん面白いし、
わたしも、同じ内容を同じようには
他の言葉では中々話せないから
世間話程度でも楽しいわけです。
日本人の茶化したり斜に構えたり
してばかり話しがちなところ、
嫌だなあと思うときもあるけど、
わたし自身、日本語で表現するなら
程度や詩心の差こそあれ、
ある程度そういう態度の塩梅がほしい。
現代日本語ならば、ね
そのバランスが無いと、どこか
危うさを感じることが多い。
日本語の古文とベンガル語に
似た感触を覚えるのは、
そういうところもあるかもしれません。
大事なことを、
当たり前に大事に話せる関係性に
わたしは多く恵まれていて
それでも、日本語で
もっと的確に
もっと真を貫くように
言葉を使えたら、
もっと届く人がいるのではないか、と
まだ、思っています。
※
ジョイグル
(バウルの挨拶
「あらゆる命が本来に輝きますように」)
今日も明日も良い日でありますように。
パロミタ
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