🟡 3/29(金)『女たちの音づれの夕べ~パロミタ友美・佐藤二葉の二人会』 🟡

Touch the Gondとゴンド画の事

ゴンド画とTouch the Gondさんについて、
ずっと書きたいなと思いながら
今年おそらく唯一の自主展示会が
始まってしまったので(月日が経つのが早い)
この機会にしたためています。

ゴンド画(GOND ART) は、インド中央部、主にマディヤ・プラデーシュ州(Madhya Pradesh)に居住する先住民族によって描かれる民族画です。農耕を生活の軸にしていた先住民族が家の土壁や土間に作ったレリーフや飾りが原点になっています。

民族画でありながらモダンでポップなゴンド画は、近年パリやロンドン、アメリカの美術館でコンテンポラリーアートとしても紹介されてきました。

ゴンド画の特徴は、民族に伝わる神話や寓話、森に住む動植物をモチーフにしたユニークな図柄と、その中に敷き詰められる連続したパターン模様。
パターン模様は画家によって生み出され、サインと同じような意味も持っています。

ゴンド画には「森に神が宿る」と信じる画家達の、自然に対する深い敬意と愛情が込められています。

Touch the Gondウェブサイトより

 

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(スクナンディさんの作品)

ゴンド画は、タラブックスの
手作りのシルクスクリーン絵本
「夜の木」で話題になった事もあり
あのイメージが強い方も
いらっしゃると思うのですが

個人的に、タラブックスの本は
民族画を尊重しながらも、
強く「タラブックス」の個性を持っているので
(それが編集の力というものですよね)
ここでは、それとは
ちょっと違うかもしれないゴンド画と、
ゴンド画を紹介されている
Touch the Gondの話をしたいと思います。

先に、Touch the Gondの11月の展示詳細を。
ウェブサイトではオンライン展示
ご用意されていて、
なんと、アーティストからの
メッセージ動画もあります。

展示詳細
※終了しています
Floating Spirits: Gond Art of India

ゴンドの神バラデーブが見守る森には、神聖なサージャの木が生きている。
漂う時代でも変わらない日常がそこに存在していた。
**
インド中央部に居住する先住民ゴンドが描く、神秘的であたたかみのある世界をどうぞ感じにいらしてください。

【概要】
○日時
11月11日(水)〜11月17日(火)
12時〜18時(最終日は17時まで)
○会場
東京都中央区銀座1丁目9−8奥野ビル206号室 アートギャラリー石
※皆様に安心してご覧いただけるよう常時換気を行いながら開催します。
※ご来場時にはマスク着用、アルコール消毒、検温のご協力をお願いいたします。

オンライン展示はこちら

現在のゴンド画は、
既に鬼籍に入られた、
ジャンガル・シン・シャームという
ひとりの天才画家の出現に端を発します。

「村の家におおぜいの人がやって来て、ぼくの壁画を見たいっていうんだ。ちょうど野良仕事から帰ったばかりで足が泥まみれだったのに、急に顔料を渡されてこれで絵を描いてみろといわれたんだ、手が震えたよ。それが都会の顔料を手にした最初だった」
こうしてジャンガルさんはスワミナータンのもとで育てられ、ゴンドという部族の画家として紹介されて来た。しかし実は彼はゴンドではなく、ゴンドの一氏族のパルダーンに属していた。「他人が差し出す食事を食べる人びと」を意味するパルダーンは、ゴンドの家に死者が出ると馬のしっぽで作った手製のヴァーナーという弦楽器を持ち、世界の創生とゴンドの歴史、そして最後に故人の物語までをも弾き語り、死者の魂を慰め、ゴンドの人びとから供された食事と捧げ物を受けることで生計を立ててきた。つまりパルダーンはゴンドの祭司者であり吟遊詩人でもある。ゴンド文化を底辺から支えるマルチアーティストといってもいい。ジャンガルさんはそのパルダーンに語り継がれたきた物語を素材に絵を描いて、独自の世界を切り拓いてきたのだという。

インド櫻子ひとり旅」阿部櫻子(木犀社)p187

ジャンガルさんの画は、
引用しても良いものが分からないので
ぜひJangarh Singh Shyamで
検索していただきたいのですが、
ぶっとぶような素晴らしい画家というか、
ちょっと画家の枠に収めてよいものか
分からないぐらいの凄い作家です。

そのジャンガルさんの家族を中心に
ゴンド出身の人々が、
現在のゴンド画の担い手です。

これは息子さんのマヤンクの作品。

 

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ジャンガルさんは、ゴンドの人々に
色々な表現を工夫して、
自分なりの画を描くように、
と教えていたそうで、
ゴンド画の中にも様々な表現や
個性ある作家が育っていて、
今では国際的に注目を集めるように
なっています。

どちらで読んだか聞いたか
ちょっと思い出せないのですが、
村の人々にとって、
ゴンド画の展開はひとつの大きな希望であり
ゴンド画によって故郷の人々の
生活が向上することは、
ジャンガルさんの強い望みでもあったそうです。

(たぶん、「インド櫻子ひとり旅」の
櫻子さんに伺ったお話と、
Touch the Gondの華織さんに
伺ったお話がごっちゃになっている)

これはジャンガルさんの娘さんの
ジャパニの作品。

 

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展示会に何度も足を運んでいると、
画家ひとりひとりの
成長や変遷なども窺えて
感慨深いものがあったりします。

Touch the Gondの川村華織さんは
ゴンド画と出会って感動してから
しばらくは気に入った絵を
集めていたそうですが、
やがて日本で紹介する活動を
始められました。

Touch the Gondで扱われる
ゴンド画は、
普通のおうちでも手にできる、
その上で画家の評価を不当に下げない
(そしてTouch the Gondが存続できる)
ギリギリのお値段設定で運営されている
と、思います。

ゴンド画の若い画家たちを
応援しながら、
同時に日本の一般家庭に
絵を飾る楽しみを広めたい
と、お話を伺った事があります。

 

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(ディリープさんの作品)

そんなゴンド画の展示、
オンラインもかなり充実していますので
この機会によろしければどうぞ
ご覧ください。
直接行かれる方は、どうぞ私の分も
楽しんできて下さい……。
(マスク頭痛やらの問題で
ほとんどの展示会に
行けない人間になってしまったので…)

展示詳細
※終了しています
Floating Spirits: Gond Art of India

ゴンドの神バラデーブが見守る森には、神聖なサージャの木が生きている。
漂う時代でも変わらない日常がそこに存在していた。
**
インド中央部に居住する先住民ゴンドが描く、神秘的であたたかみのある世界をどうぞ感じにいらしてください。

【概要】
○日時
11月11日(水)〜11月17日(火)
12時〜18時(最終日は17時まで)
○会場
東京都中央区銀座1丁目9−8奥野ビル206号室 アートギャラリー石
※皆様に安心してご覧いただけるよう常時換気を行いながら開催します。
※ご来場時にはマスク着用、アルコール消毒、検温のご協力をお願いいたします。

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