🟡 3/29(金)『女たちの音づれの夕べ~パロミタ友美・佐藤二葉の二人会』 🟡

瞑想のインド古典音楽ドゥルパド〜12月16日の公演によせて

12月16日(木)の公演に先駆けて
共演者である中井すがたさんの歌われる
「ドゥルパド」という音楽について
少しだけご紹介いたします。
(イベント詳細は最後に)

ドゥルパドとは

インドの古典音楽は、大きく分けて
北と、南
に分かれます。

更に、北インド古典音楽には
カヤール/キャール と、
ドゥルパド があります。
(ざっくり言うと。
もっと詳しくは私が解説できないので割愛)

シタールやタブラーなど、
多くの方が「インド音楽!」と
思い浮かべる華やかな世界は、
カヤール/キャールで

ペルシャ系王朝の宮廷を通して
ペルシア音楽の影響を受け発展したものです。

ドゥルパドは、より古い要素を
強く残した形であり、
カヤール/キャールが育まれる
母体となったスタイルでもあります。

中井すがたさんは、
ドゥルパドをこのように表現されています。

dhrupadとは

千年ほど前にインドの祈りから生まれ、今に生きる北インドの伝統音楽です。

ヴェーダ哲学の「世界は音で出来ている」と言う宇宙観を瞑想的に体現します。

時間や場、感情などのエネルギーをraga(彩り)という音階の規則とtala(拍子)に沿って、即興していきます。

ナーダヨガ(音のヨガ)、ジャーニャヨガ(知恵のヨガ)、バクティヨガ(帰依のヨガ)の、3つのヨガの要素をもっている音楽でもあります。

 

すがたさんのお師匠リトウィク・サニャル師
最初の動画の右手におられるのも、
若かりし頃のリトウィク氏です。
世界中にお弟子さんがいらして
日本ドゥルパド協会」の招聘で
来日・ワークショップなどもされています。



一応、補足すると。

ドゥルパドも長らく
ムガール宮廷で歌われていた
ということですし、
南インド古典を含め、
カヤール/キャール以外のスタイルが
ペルシア音楽の影響を受けていない、
ということではありません。

「日本人」という固有の血液など無いように
「純粋なインド音楽」も、

あくまで歴史の中での様々な変遷を
前提として捉えた方が、良いと思います。

というか、インドの文化って
ヴェーダの詠唱以外は
ある層においては変化しまくるものです。

古を求めて発展させる~インド芸能は「思い出され」て進化する

もっと言えば、
特にキャールの歴史に関しては
色々なことが言われすぎていて
正直、下手なことが言えません。
「ドゥルパドを母体として発展」
も、唯一の説とは言いがたいようで。

ただ、ドゥルパドの方が
確立されたのが古く
より高尚なスタイルであると
長らく認識されていた、
ということは言えると思います。

そして実際、インド古典音楽の中でも
より瞑想的な音楽であるということに
異論はあまり出ないのではないかと
思われます。
(インドの音楽は全て瞑想だ!
とおっしゃる方も、もちろん多いですが)

様々なドゥルパドの演奏

声楽だけでなく
ルドラ・ヴィーナーによる演奏も
ドゥルパドでは伝統的で

このウスタッド・ズィア・モヒウディン・ダーガル氏は
一番最初の動画の左手の
ウスタッド・ズィア・ファリドゥディン・ダーガル氏
の、お兄さんでもあります。

(余談ですが、モヒウディン氏の
御子息のバハウディンさんも
ルドラ・ヴィーナーの奏者で
私の師匠パルバティ・バウルのご親友でもあり
師匠は彼の演奏を絶賛しています)

数は少ないですが、女性の
ドゥルパド歌手もいらっしゃいます。

ペールワ・ナーヤクさん
バハウディンさんとの共演。

こちらも来日されたことのある
ウダイ・バワールカルさん。

それから、
グンデーチャ・ブラザーズ。
日本の井上想さんのお師匠さんですね。

これは来日時の映像のようです。

ここまでは皆さま同系統の
流派の方々なのですが、
違う流派から
プレームクマール・マッリクさんと
御子息のプラシャーント・マッリクさん。

 

ここでは短めの動画ばかり
拾ってきていますが、
本来は1曲で1時間など、長い時間
演奏されるものですので
ご興味持たれた方は
ぜひ色々探してみてください。

ここまで来ると察されているかと思いますが
私もドゥルパドはかなり好きなので
「聴けば分かるだろう」
とばかり、動画ばかり入れて
説明をろくに入れていないのですが

いや、本当にそういう感じなのですが(笑)

ドゥルパドは、私自身は
学んだことは無いのですが
声の練り方など
ものすごく奥深いものがあります。

前出のペールワさんにお会いした時、
「トモミという名前は、
音が頭頂に響いて、とてもいい。
私の名前はそうでもない」
と言われた、当時そういう感覚が
サッパリ育っていなかった私は
キョトンとした思い出があります。
(多分同い年か、同年代なのですが……)

2021年12月16日(木)ドゥルパドとバウルの公演あります

そんなドゥルパドを学ばれている
中井すがたさんを札幌からお招きして、
来たる12月16日、一緒に公演をします。

ドゥルパドがどんなものか
間近に聴いてみたいという方も
何だか分からないけど気になるという方も
よろしければぜひおいでください。

2021年12月16日(木)

出演
中井すがた(dhrupad声楽)
パロミタ (バウル)

時間 開場6:00pm 開演6:30pm
料金 2500円(1ドリンク別)
場所 ムリウイ
飲食 ドリンクのみ
予約 こちら か、各出演者まで

音のヨーガ「ナーダ・ヨーガ」の
古い伝統である ドゥルパド
音の行者「ナーダ・ウパーサカ」
である バウル
音楽になる前の音楽と、音楽との間を旅しながら
この身体を流れ、ほとばしる声によって
この存在の源へと繋がる

中井すがた(dhrupad声楽)
10代より合唱や西洋声楽の指導を受け、jazz pops、オリジナル曲を歌う。 様々な国の民族音楽に惹かれる中、2007年インド音楽に出会い衝撃を受ける。
2009年、北インド古典ドゥルパド声楽家shree に師事。 2010年、初渡印し北インドのヴァラナシにて、ドゥルパド声楽家でありBanaras Hindu University 声楽科教授でもある Pt. Ritwick Sanyalに師事を仰ぐ。
その後も渡印を重ね同師の下で修行を続けながら、パフォーマンス活動も行う。

パロミタ
バウルの歌舞い。現在世界的に最も知られているバウル行者のひとりであるパルバティ・バウルと出会い、師事したことからバウルの道に入る。日本とインド を行き来しながら、2017年より東京を中心に定期的に公演を開催。2018年には師匠であるパルバティ・バウルの日本招聘公演ツアー「バウルの響き」を有志の仲間と共に主催。
また画家、詩人、翻訳者でもあり、バウルも含めてインドの文化や伝統を紹介する活動に努めている。

 

参考:
https://www.firstpost.com/art-and-culture/tracing-the-trajectories-of-khayal-gayaki-a-form-of-classical-music-from-it-glorious-past-to-a-transforming-future-8094551.html
https://www.sahapedia.org/hindustani-khayal-music-sociocultural-history


 

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