マーヤーという言葉に
この頃想起されるイメージがあって
どこから来た何なんだろうな~
と思っていたのですが
分かりました。
数年前に体験してみた
アイソレーション・タンクでした。
アイソレーション・タンクで
浮かんでいるときって
液体の中で、
顔の表面部だけが出ている
みたいになるんですよね。
黒柳徹子がプールで
浮かんでいるときも、
そんな感じだったかと思います。
その、目鼻口だけが
浮かんで出ている感じが
マーヤー(まやかし)という眠りから
ほんの少し目覚めている状態
の、かたち として
想起されていたのでした。
そもそもアイソレーション・タンクは
一種の無重力体験のはずなのですが
わたしの体感、感想は
これ、知ってる というもので
むしろ、重力を突き詰める系の
稽古や、坐行をしているときの
体感と、ほぼ同じでした。
バウルの詩で海といったら
ループ・サーガラ(形象の海)と言うように
女神のひとつの形とも言えますが
無重力の再現であるはずの
エプソム・ソルト(たしか)の液で
少なくともそれまで
重力性だと思っていた体験をした
というのも、
捉えようによっては
示唆深いというか
面白いな、と思います。
*
マーヤー/ミチャ=まやかし、
と書いたのは、わたし自身が
「ミチャはマーヤーのこと」
と教わったからなのですが、
改めて調べてみると、
ミチャ=ミティヤーの直訳は
「誤り」であって
そのまま「まやかし」
ではないのですね。
でもバウルの歌では、
ミチェ・マーヤーなどと
ひと組で登場することが多いです。
まやかしと間違いは、
同じものである
と言ったら言い過ぎかもしれませんが
確かに、マーヤーすなわち
まやかしとは、
「真理を覆い隠しているもの」
「本当ではないこと」
なので、
「間違いである」と言うのは
それこそ、間違っていないわけです。
バウルは
ボルトマン=ヴァルタマーナ(現在)の行者で
オヌマン=アヌマーナ(仮定)には生きない
と言いますが
では現在と仮定とは何なのか
ヴァルタの語幹のヴリトは
「回転すること」「動くこと」で、
たぶん転輪聖王チャクラヴァルティン
の、「ヴァルティン」と
同源だと思います。
転がすこと、動いていること
(マーナはたぶん、この語の中では
現在進行形な感じを付与している)
アヌマーナは、色々見てみると
推論、とかに近いようで
マーナ自体には色々意味があるけど
(プライドとか誇りとか怒りとか尊敬とか)
ここでは規準とか測量的な方の意味合いで、
見たこと聞いたことを
想像で補って判断すること。
現在、という意味の語に
転がり続けるという
変化の感覚が内在しているのは
面白いことで
仏教の「諸行無常」にも繋がりますね。
その無常を観察し、
ただ見つめ続けることを
現在に生きることだと言うのなら
過去の観察をもとに
想像と判断をするのは
停滞であり、
現状から取り残される、
妄想に生きる行為であるわけです。
バウルの歌の文脈では
「ミチェ・マーヤーの中を
どうして彷徨わせるの」
などの表現で出て来ます。
まやかしに覆われた
誤りの霧の中を
どうして彷徨わせるのですか、と。
そういう文脈でこそ、
「生まれながらに盲目なわたしの
(グルよ)あなたは悟りある医者
ラロンは敬虔に申し上げます
智慧のアンジャナ(カジャル/くまどり)を
この目に授けてください」
などの表現が生きてくるわけです。
前にも書きましたが、カジャルは
アイラインをはっきりさせるだけでなく
目薬的なはたらきもあります。
「わたしは生まれながらに盲目」
という表現も、よく出てくる……
というか、ラロン・フォキルが
割によく詠っている気がします。
とはいえ一方で、
無常という「変わり続けること」自体
マーヤー(まやかし)の性質でもあり、
それに振り回される感覚の
手綱を引いて制御する
ことが、ヨーガで言われる
プラティヤーハーラ(感官制御)でもあり
バウルで
「川を泳ぐが髪を濡らさない」
「川を渡るが足を濡らさない」
などと歌われることや
“ハンサ鳥は牛乳から乳清だけを
水から取り分けて飲む”
というのにも通じると思います。
ここまで書いて思ったけど
観る側の「私」のその奥の、
いわゆる真我と呼ばれるような魂は
不変でありながら動態でもある
みたいなことが
言えるのかと思いますが、
そういう言葉にしてしまうと、
「だから何?」でしかないので
やっぱり歌の世界を通して
体験を深めていくことが大事なのかなと
思います。
ここまで細かく
マニアックに書くつもりは
なかったのですが
皆さまついて来られていますかね。
あまりベンガル語や
サンスクリット語の名詞が
出てきすぎるようなことは
Note の記事の方が合うかなと
思っているのですが
なんか書いちゃったのでこのまま配信します。
※
ジョイグル
(バウルの挨拶
「あらゆる命が本来に輝きますように」)
今日も明日も良い日でありますように。
パロミタ
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